第30回 言語・音声理解と対話処理研究会 (SIG-SLUD)

日時: 2000年11月9日(木)・10日(金)
場所: 伊豆 熱川ハイツ (日本勤労福祉センター)
   (静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1240-14; Tel:0557-23-2300)     案内

テーマ: 社会的なインタラクション研究の新展開

参加費: 一般 14,000円,学生 11,000円 (宿泊費,懇親会費を含む)
    なお,SLUD研究会に非登録の方は研究会資料を購入していただきます.

参加申込先: 〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台2-2-2 
ATR 知能映像通信研究所 岡田 美智男 (okada@mic.atr.co.jp)
TEL: 0774-95-1481, FAX: 0774-95-1408 
参加申込締切:2000年10月18日(水)

プログラム:

11月9日(木)

13:10-15:30 

(1) 対話を仲介するヘルパーエージェント
    高田 司郎 (ATR), 新村 清彦 (ATR/静岡大)

  マルチエージェント環境において,ヘルパーエージェントは,利用者の行為指
  示発話に対してサービス可能なエージェントにその発話を仲介する.仲介され
  たエージェントはその発話を自然言語処理して利用者の意図を把握し,その意
  図に応じて問題解決した解答を利用者へ送信するよう,仲介したへルパーエー
  ジェントに依頼する.本稿では,このように利用者とエージェントとの対話を
  仲介するヘルパーエージェントとその実現方式を提案する.

(2) 人のジェスチャ動作と移動ロボットの動きとのインタラクション対話
    西村 拓一, 矢部 博明, 岡 隆一 (RWCP), 野崎 俊輔 (メディアドライブ), 小木 しのぶ (数理システム)

  人物が自然なジェスチャで自由に動き回りながら移動ロボットとインタラクショ
  ンするシステムについて実機化して考える.

(3) データベースの学習による言語と画像の関連づけ
    森 靖英, 高橋 裕信, 岡 隆一 (RWCP)

  インタラクション成立のための一要素である言語(単語)とパターン(画像)
  の学習による相互関連づけ手法についてデモを交えて検証する。

(4) 音素境界の自動認識を目指して
    大須賀 智子, 堀内 靖雄, 市川 熹 (千葉大)

  音素セグメンテーションについて、Julius 等による自動認識結果と人手によ
  る結果とを比較検討する.

15:30-17:30 チュートリアル

(5) 機械の人らしさと社会的インタラクション
    竹内 勇剛, 片桐 恭弘 (ATR)

  人はたとえ対象が機械であっても,無意識にあたかもそれが人であるかのよう
  に反応してしまう.そして人と機械との間には,人同士と同じように対人関係
  を形成・維持していくための様々な社会的インタラクションが成り立っている.
  本発表では,このような機械(特にコンピュータ)に対する対人的反応につい
  て注目し,人と機械との間に成り立つ社会的インタラクションを「人らしさの
  帰属」という観点で議論していきたい.

(6) 社会的相互行為を見る方法: エスノメソドロジーと会話分析の基礎
    高梨 克也 (郵政省通総研)

  社会的相互行為分析の一手法としての会話分析について、その観点の特色や基
  礎的分析枠組を紹介する。


20:00-21:00 問題提起 

(7) 日本が遅れているのか、それともアメリカが間違っているのか
    河合 剛 (University_of_California_Santa_Cruz)

  欧米での音声言語情報処理に対する取り組み方が変ってきた。働き盛りの研究
  者が大学から企業へ移籍し、先駆的な研究に従事する者を補充する予定がない。
  残る教員は技術者養成が主任務である。欧米の大学が研究を捨てて職業訓練校
  になったのは、次世代の科学が企業の中で創成されるとの勝算があっての判断
  なのだろうか。そうだとすると、多数の大学にそれぞれ少数の教員を配置して、
  どの大学でもまとまった研究ができないような態勢をとっている日本の大学経
  営のやり方は、一見時代遅れに見えるものの、皮肉にも時代を先取りしている
  のだろうか。日本と欧米の研究基盤の映り変わりを軸に、組織と個人の生き残
  り戦略をビジネスの視点から批判的にさぐる。 


11月10日(金)

 9:00-10:10 招待講演

(8) 「ふり」について考える
    麻生 武 (奈良女子大)

  ロボットに“ふり”ができるのだろうか。自閉症のひとたちができるような
  “ふり”は可能かも知れない。しかし、“ふり”の意識をともなうような“ふ
  り”は難しいのではないだろうか。実は一言で“ふり”とは言っても、一筋縄
  ではとらえられないような多様性がそこにはある。“ふり”の謎について考え
  てみたい。

10:20-12:00

(9) 幼児同士の共同意思決定過程における対話の分析
    礪波 朋子, 麻生 武, 三好 史 (奈良女子大)

  幼児同士の共同意思決定場面で、二者間の対話の中で各自の意見がどのように
  変容し、決定するかを検討する。

(10) ペット動物との会話と内的状態への言及
    藤崎 亜由子 (奈良女子大)

  犬・猫というペット動物への飼い主の発話を分析し、そこに「会話」が成り立
  ち、「心」ある他者が存在するという現象について考察する.

(11) 社会的相互行為における行為の意味の不定性
    岡田 美智男, 坂本 彰司, 鈴木 紀子 (ATR)

  行為の意味の不定性という観点から,他者との社会的な繋がり(social bonding)
  の形成やその調整過程としてのコミュニケーションについて考える.


13:00-15:00

(12) 相手話者発話中の発話開始現象は「割り込み」か --日本語地図課題対話を通して--
    榎本 美香 (千葉大/ATR), 伝 康晴, 土屋 俊 (千葉大)

  対話における相手話者発話中の発話開始現象は必ずしも相手話者の発話を遮る
  ものではなく、相手発話の継続を促す働きを持つものなどと分離して考える必
  要がある。本研究は、「同時発話」との違いを示すとともに、「割り込み」現
  象に基づく対話理論の構築を目指すものである。

(13) 心理実験を用いたあいづち応答の手がかり特徴の検証
    野口 広彰 (ATR/奈良先端大), 片桐 恭弘 (ATR), 伝 康晴 (千葉大)

  発話末の品詞・韻律特徴とあいづち生起頻度との相関を調べる心理実験の結果、
  発話末の韻律特徴との相関は低く、逆に品詞と強い相関を示すことがわかった。 

(14) ものづくり作業における発話分析に関する検討
    石川 泰, 大矢 富保, 野本 弘平 (三菱電機)

  人間の自然な行動を視点の中心とし、人間行動に適合した製品の開発を目的と
  して、行動の計測、理解、そのデータの蓄積方法、適合性を客観的に評価方法
  の検討を進めている。ここでは、NCマシンの操作時の人間の発話行動を観察
  し、その意味や特徴を分析し、操作の問題点抽出への利用の可能性について検
  討した結果を述べる。