第37回 言語・音声理解と対話処理研究会 (SIG-SLUD)

日時:2003年3月7日(金)・8日(土)
場所:立教大学 池袋キャンパス
   (〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1)  交通案内
人工知能学会 音声・言語理解と対話処理研究会 (JSAI SIG-SLUD) においては,
これまで対話・コミュニケーションに関する研究を幅広く学際的に進めて行く
場を提供できるよう努めてまいりました.
その一環と致しまして,今回の研究会では,社会言語科学会第 11 回研究大会
(2003年 3月 8日(土)・9日(日) 開催)との部分的共催を予定しております.

社会言語科学会(http://www008.upp.so-net.ne.jp/jass/)は,既存の社会
言語学の枠に囚われない,人間コミュニケーションについての包括的研究を
目指す学会で,発表は言語学から心理学,社会学など多岐にわたっています.
第11回研究大会では,3/8(土) に慶應義塾大学の波多野誼余夫先生(発達心理学
・認知科学)による招待講演が予定されており,SLUD 参加者も聴講可能です.
また,3/8(土) の夜には懇親会も予定されています.

「コミュニケーション」という, 一分野に囚われない学際的な視野が必要な
研究対象について,日頃直接接点のないさまざまな関連領域の研究者と意見
交換できる場となることを目指しております.
これを機会に,奮ってご参加いただけますようお願いいたします.

つきましては,SLUD 37 では会期を二日間設け,3/7(金)に通常の「口頭発表」,
8(土)を共催の「ポスター発表」として開催いたします.
なお,社会言語科学会第 11 回研究大会のプログラム等につきましては,
  http://www.mis.atr.co.jp/~katagiri/JASS/11/index.html
をご参照ください.

 SLUD 37 : 参加費:無料
       資料集:1,500円(研究会登録会員及び学生は無料)
 JASS 11 : 参加費:会員: 1,000円,
           非会員(一般): 3,000円,
           非会員(学生): 2,000円
       予稿集:2,000円
 懇親会費: 5,000円(学生は割引の予定)

・SLUD に参加申し込みされた方は,共催日の 3/8(土) の参加は無料となります.
・SLUD 37 の参加者が JASS 11 の 3/9(日) に参加される場合には,JASS 11 の
 参加手続きが別途必要となります.)

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[プログラム]

◆3/7(金):一般口頭発表(8号館 8304教室)

[13:00-14:30]

(1) 同義語の意味の違いを測る --「インターネット」と「ネット」に対する認知実験を例に--
    清水 由美子, 大谷 紀子 (武蔵工大), 赤間 啓之 (東工大)

    「インターネット」と、インターネットを指す「ネット」を例に、
    両者の用法の違いと意味の差との関係を検討する。

(2) 型付き動的論理({TDL})による前提条件と照応の統一的分析
    戸次 大介 (科学技術振興事業団/東大)

    対話における前提条件の合成(presupposition projection)および照
    応の到達可能性(anaphora accessibility)の問題が、TDLによって統
    一的に分析できることを示す。

(3) 談話標識の抽出に基づいた討論音声への{MPEG-7}タグの自動付与
    長谷川 将宏, 河原 達也, 奥乃 博 (京大)

    討論音声に対してMPEG-7用の談話レベルを含めたタグを設計し、談話
    標識の自動抽出に基づいてその自動付与を試みた。

[14:45-15:45] ★チュートリアル★

(4) 話しことばを扱う音声対話システム
    宮崎 昇 (NTT)

    話しことばを理解し適切な応答を実時間で出力する音声対話システム
    の実現に向けた,工学的な課題とNTTコミュニケーション科学基礎研
    究所の研究を紹介する.

[16:00-18:00]

(5) 談話の局所・中位構造を利用したチャット会議ログからの議事録自動生成
    小林 竜己 (CSK)

    多人数対話である会議のチャットログから発話文リンク構造とリンク
    に基づく話題単位を抽出し、対話文を要約するアルゴリズムの提案と
    問題分析を行う。

(6) 時間情報を共有可能なインターネットチャットシステムの構築
    益田 武士, 小倉 加奈代, 石崎 雅人 (北陸先端大)

    チャットシステムでのタイミング情報の欠乏問題を解決するため,発
    言開始時間に基づいた表示順序とするシステムを構築・分析を行った.

(7) 合意形成対話における同意表現の言語・非言語情報の分析
    矢野 博之, 善本 淳 (通信総研)

    二者による合意形成対話で用いられた同意表現に注目し,言語情報と
    非言語情報の関係について分析した.

(8) 祭礼空間を語ることばとジェスチャー --水窪町西浦田楽別当の語り--
    細馬 宏通 (滋賀県立大)

    山間地の祭りを当事者が語るとき、ことば+ジェスチャーがいかに絶
    対的指示枠に依拠しながら祭礼空間を再現していくかを論じる。

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◆3/8(土):ポスター発表(第11回社会言語科学会大会と合同開催)
 (15:00-18:00:8号館 2階・3階ロビー)

(P01) 英語呼称詞の会話における役割 --呼称頻度に関する一考察--
    山崎 優子 (下関市立大)

(P02) 呼称の研究
    荒川 歩 (同志社大)

(P03) 接触場面における話段の形成過程について
    西條 美紀 (東工大)

(P04) 討論における再構築発話の役割
    乾 裕子 (通信総研/神戸大/計量計画研), 高梨 克也 (通信総研),  矢嶋 宏光 (計量計画研), 井佐原 均 (通信総研/神戸大)

(P05) チャット対話における関連発言同定のための表層情報の分析
    小倉 加奈代, 石崎 雅人 (北陸先端大)

(P06) 日本語ディスコースにおける謝罪の機能 --依頼の前置きとしての謝罪に関して
    北 綾子 (日本女子大)

(P07) 女子短期大学生の敬語使用における意識と傾向
    永正 理恵子 (鹿児島純心女子短大)

(P08) 語用論の観点から見た文末表現の使用 --「ケド」を例にして--
    許 夏玲 (東京学芸大)

(P09) 効率性から見た発話交換構造間の関係性
    金城 由美子 (ATR), 森本 郁代 (通信総研)

(P10) 会話の聞き手はいつ話し始めるか
    榎本 美香 (千葉大)

(P11) 受け手になること、次話者になること --話者交代規則再考--
    伝 康晴 (千葉大)

(P12) ドラマにおける子どもの日本語の不自然さ
    秦野 悦子 (白百合女子大)

(P13) 日本語の談話ストラテジーの性差習得について --大人と子どもの相互作用を通して--
    仲田 陽子 (関西大)

(P14) スペイン語を母語とする児童の発話に用いられる日本語名詞の数の一致
    久津木 文 (神戸大)

(P15) 意味解釈と語彙情報 --日本語名詞句「AのB」を例に
    菊池 隆典, 白井 英俊 (中京大)

(P16) 幼児語彙におけるアクセントの分布:3方言の比較
    白勢 彩子 (名古屋大)

(P17) 『日本語話し言葉コーパス』を用いた談話構造と韻律との関係に関する一考察
    小磯 花絵, 米山 聖子 (国語研), 槙 洋一 (東京都立大/国語研), Janice Fon (National_Taiwan_Normal_University)

(P18) {XML}スキーマ言語と対話例を用いた音声対話システムの自動構築手法
    重野 真也, 井上 武史, 荒木 雅弘 (京都工繊大)

(P19) ラジオ番組収録のための音声インタフェースの設計と評価
    住吉 悠希, 荒木 雅弘 (京都工繊大), 西本 卓也 (東大)

(P20) 対面会話におけるジェスチャーの空間参照枠と左右性
    細馬 宏通 (滋賀県立大)

(P21) 視野画像情報を用いた参与構造の解析
    坊農 真弓 (神戸大/ATR), 鈴木 紀子 (ATR), 片桐 恭弘 (ATR/神戸大)

(P22) 看板広告にみる空間指示枠の変異について
    片岡 邦好 (愛知大)

(P23) 顔文字が文章の信頼度に及ぼす影響(4)
    中丸 茂 (駒澤大)